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皆さんこんにちは!
株式会社協立電設、更新担当の中西です。
~確認事項~
ということで、電気外線工事における事前確認事項を、施工現場の視点から実践的に解説します。
安全・品質・スケジュールを守るための「見えない準備力」
電気設備工事の中でも、電柱や引込線、外灯などを設置・接続する電気外線工事は、
一般住宅・公共施設・工場・街路灯整備など、さまざまな現場で重要な役割を果たしています。
しかし、この外線工事、実は施工に入る前の「事前確認」がとても重要であることをご存知でしょうか?
電力会社や通信会社との調整、安全対策、地中埋設物の確認、周辺住民への配慮…
事前に見落とすと、現場ストップ・重大事故・納期遅延につながりかねません。
誰の設備か?どこまで工事するのか?
まず最初に必要なのは、工事対象の範囲と関係する管理者の特定です。
工事内容 | 対象設備 | 管理者 |
---|---|---|
引込線新設 | 引込ポール・電力メーター取付 | 電力会社+建物所有者 |
電柱移設 | 配電柱・通信柱 | 電力会社・NTT・CATVなど |
外灯設置 | 公園・道路照明 | 自治体・管理組合 |
高圧受電設備工事 | キュービクル・PAS等 | 建物管理者+電力会社 |
📌 自社施工で可能な範囲か、関係者に工事届や立会が必要かを確認することが最優先です。
「どこに」「何を」「どう通すか」が曖昧だと進まない
外線工事は、敷地外や他人所有地、地中インフラとの干渉が発生する可能性が高いため、
詳細な図面と設計内容のすり合わせが非常に重要です。
配線ルート図(立面・平面)
電柱・支線・管路の位置図
建柱計画(基礎構造、埋設深さ)
通信・CATV・上下水道など他埋設物との離隔図
既存の引込線・配管の有無
📌 特にNTT・CATVとの接続位置や管路の取り合いは、事前確認が必須。誤接続・仕様違反が発生しやすいポイントです。
地中も地上も「思った通りにはいかない」
確認項目 | 注意点 |
---|---|
地盤 | 掘削可能な土質か?地下水の有無 |
地中埋設物 | ガス・水道・通信用管路との干渉リスク |
地上障害物 | 樹木・塀・車両進入路など作業空間の確保 |
支線張力 | 張力方向に支障物がないか |
📌 必要に応じて地中レーダー探査や自治体への埋設物調査依頼を行い、掘削時の事故を未然に防ぎます。
特に通電後・架空線作業は重大リスクを伴う
外線工事は感電・墜落・落下・火災といった重大事故のリスクがある作業です。
通電設備の有無と電力会社との連携
作業中の近隣電線との距離確保(安全離隔)
高所作業車・脚立作業の安全計画
架空線工事における感電防止措置(絶縁カバー、アース設置)
作業者の資格確認(高所作業、感電防止特別教育など)
📌 停電作業の申請・立会が必要な場合は、電力会社への早期調整が必須です。
近隣対応で信頼性が決まる
電気外線工事は、道路・歩道・民地・敷地境界付近で行うことが多いため、近隣や交通への配慮も重要です。
工期・作業時間の明示と近隣挨拶・説明
道路使用許可(公安委員会)・交通誘導員の手配
騒音・振動対策(掘削、建柱時)
夜間工事の照明・防音対策
📌 地域住民からの苦情は、発注者や元請けへの信頼失墜にも直結するため、丁寧な対応が求められます。
書類が揃わないと工事はできない
書類・申請 | 提出先 | 内容 |
---|---|---|
工事計画届 | 電力会社・通信事業者 | 引込線、柱移設など |
道路使用許可 | 警察署 | 公道上の作業時 |
埋設物調査依頼書 | 地方自治体 | 水道・ガス・通信確認 |
使用電力量申請 | 電力会社 | 新設・増設に応じて |
近隣説明資料 | 住民・管理組合 | 作業内容・日程の共有 |
📌 事前準備が不十分だと、工事延期や無断施工による行政指導のリスクもあります。
電気外線工事は、一見「配線してつなぐだけ」に見えて、
実際には関係機関との調整・安全管理・周辺環境配慮・法令順守のすべてが問われる業務です。
そして、それらすべては「工事前の確認作業」で9割が決まる
それがプロの現場感覚です。
カテゴリ | 確認事項 |
---|---|
設計情報 | 図面・ルート・機器仕様の確認 |
関係機関 | 電力・通信・自治体・交通警察など調整先 |
安全 | 高所作業、感電防止、作業員資格 |
現場調査 | 地中物・障害物・地盤・作業スペース |
工程調整 | 工期・近隣挨拶・交通対応 |
書類関係 | 届出書類、許可申請、説明資料の準備 |