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月別アーカイブ: 2025年4月

協立電設のよもやま話~雑学講座9~

皆さんこんにちは!

株式会社協立電設、更新担当の中西です。

 

~確認事項~

ということで、電気外線工事における事前確認事項を、施工現場の視点から実践的に解説します。

 

安全・品質・スケジュールを守るための「見えない準備力」

電気設備工事の中でも、電柱や引込線、外灯などを設置・接続する電気外線工事は、
一般住宅・公共施設・工場・街路灯整備など、さまざまな現場で重要な役割を果たしています。

しかし、この外線工事、実は施工に入る前の「事前確認」がとても重要であることをご存知でしょうか?

電力会社や通信会社との調整、安全対策、地中埋設物の確認、周辺住民への配慮…
事前に見落とすと、現場ストップ・重大事故・納期遅延につながりかねません。


🧭 工事種別と関係機関の確認

誰の設備か?どこまで工事するのか?

まず最初に必要なのは、工事対象の範囲と関係する管理者の特定です。

✅ 主な外線工事の種類と管理主体

工事内容 対象設備 管理者
引込線新設 引込ポール・電力メーター取付 電力会社+建物所有者
電柱移設 配電柱・通信柱 電力会社・NTT・CATVなど
外灯設置 公園・道路照明 自治体・管理組合
高圧受電設備工事 キュービクル・PAS等 建物管理者+電力会社

📌 自社施工で可能な範囲か、関係者に工事届や立会が必要かを確認することが最優先です。


📑 図面・設計情報の確認

「どこに」「何を」「どう通すか」が曖昧だと進まない

外線工事は、敷地外や他人所有地、地中インフラとの干渉が発生する可能性が高いため、
詳細な図面と設計内容のすり合わせが非常に重要です。

✅ 確認すべき図面・資料

  • 配線ルート図(立面・平面)

  • 電柱・支線・管路の位置図

  • 建柱計画(基礎構造、埋設深さ)

  • 通信・CATV・上下水道など他埋設物との離隔図

  • 既存の引込線・配管の有無

📌 特にNTT・CATVとの接続位置や管路の取り合いは、事前確認が必須。誤接続・仕様違反が発生しやすいポイントです。


🏗 現地調査・測量・障害物確認

地中も地上も「思った通りにはいかない」

✅ 現地確認で見るべきポイント

確認項目 注意点
地盤 掘削可能な土質か?地下水の有無
地中埋設物 ガス・水道・通信用管路との干渉リスク
地上障害物 樹木・塀・車両進入路など作業空間の確保
支線張力 張力方向に支障物がないか

📌 必要に応じて地中レーダー探査や自治体への埋設物調査依頼を行い、掘削時の事故を未然に防ぎます。


⚠ 安全対策と保安体制の確認

 特に通電後・架空線作業は重大リスクを伴う

外線工事は感電・墜落・落下・火災といった重大事故のリスクがある作業です。

✅ 主な安全確認事項

  • 通電設備の有無と電力会社との連携

  • 作業中の近隣電線との距離確保(安全離隔)

  • 高所作業車・脚立作業の安全計画

  • 架空線工事における感電防止措置(絶縁カバー、アース設置)

  • 作業者の資格確認(高所作業、感電防止特別教育など)

📌 停電作業の申請・立会が必要な場合は、電力会社への早期調整が必須です。


📆工程と周辺環境への配慮

近隣対応で信頼性が決まる

電気外線工事は、道路・歩道・民地・敷地境界付近で行うことが多いため、近隣や交通への配慮も重要です。

✅ 工事前に行うべき確認と配慮

  • 工期・作業時間の明示と近隣挨拶・説明

  • 道路使用許可(公安委員会)・交通誘導員の手配

  • 騒音・振動対策(掘削、建柱時)

  • 夜間工事の照明・防音対策

📌 地域住民からの苦情は、発注者や元請けへの信頼失墜にも直結するため、丁寧な対応が求められます。


🧾 申請書類・許可・関係者調整の整理

書類が揃わないと工事はできない

✅ 主な必要書類・申請(例)

書類・申請 提出先 内容
工事計画届 電力会社・通信事業者 引込線、柱移設など
道路使用許可 警察署 公道上の作業時
埋設物調査依頼書 地方自治体 水道・ガス・通信確認
使用電力量申請 電力会社 新設・増設に応じて
近隣説明資料 住民・管理組合 作業内容・日程の共有

📌 事前準備が不十分だと、工事延期や無断施工による行政指導のリスクもあります。


✅ 外線工事の成功は「事前確認の質」で決まる

電気外線工事は、一見「配線してつなぐだけ」に見えて、
実際には関係機関との調整・安全管理・周辺環境配慮・法令順守のすべてが問われる業務です。

そして、それらすべては「工事前の確認作業」で9割が決まる
それがプロの現場感覚です。


📋 電気外線工事の事前確認チェックリスト(実務用)

カテゴリ 確認事項
設計情報 図面・ルート・機器仕様の確認
関係機関 電力・通信・自治体・交通警察など調整先
安全 高所作業、感電防止、作業員資格
現場調査 地中物・障害物・地盤・作業スペース
工程調整 工期・近隣挨拶・交通対応
書類関係 届出書類、許可申請、説明資料の準備

 

 

 

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